雇用・両立支援2026年度 助成金ガイド一次資料付き

介護で仕事を辞める前に。
介護離職防止支援コース

介護休業や時短勤務で、仕事と介護の両立を支える会社に助成。対象条件・必要資料・申請日程を確認できます。

情報確認日:2026-09-15

まず、ここだけ確認

  • 家族を介護する従業員を支える中小企業向け

  • 介護休業・働き方の調整・業務代替などを支援

  • 休業前の面談と支援プランから準備する

目次 — この記事でわかること

「親の介護が必要になった」「通院の付き添いと勤務時間が重なる」。従業員からこうした相談を受けたとき、休み方や働き方を一緒に考えられる会社でありたいものです。

両立支援等助成金の介護離職防止支援コースは、家族の介護を担う従業員が仕事を続けられるよう、会社が行う支援を後押しする制度です。介護事業所だけに向けた制度ではありません。この記事では、従業員から相談を受けた会社が、支援の選び方と申請準備を理解できるよう整理します。

まず押さえたい3つのポイント

  1. 会社に支給する助成金です。従業員本人の介護休業給付とは手続きが異なります。
  2. 休業だけでなく、勤務時間などの調整や、周囲の従業員による業務代替も検討対象です。
  3. 「実際にどんな支援をしたか」を説明できる面談・計画・勤務等の記録が重要です。

制度の概要と申請窓口は厚生労働省の案内で確認できます。

どんな会社・場面で検討する?

主な対象は、支給要件を満たす中小企業事業主です。会社の規模だけでなく、対象者の雇用保険加入、介護の対象家族、社内制度、実際の利用状況などを確認します。

たとえば次のような場面です。以下は相談場面の例であり、受給できると判定した事例ではありません。

従業員・職場の状況最初に整理したいこと
家族の退院に合わせて、まとまった期間を休みたい休業予定と引継ぎ、復帰後の働き方
朝夕の介護があり、通常の勤務時間では続けにくい時差出勤・短時間勤務など、本人が希望する調整
休業する人の仕事を同僚が引き受ける代替する仕事、担当者、手当などの扱い
通院の付き添いで、勤務の途中に短時間抜ける必要がある時間単位の休暇と社内制度の整備状況

助成金に合わせて休ませ方を決めるのではなく、本人の希望と仕事の実情を先に整理します。そのうえで、会社が行う支援と制度の条件を照合しましょう。

どの支援で、いくら助成される?

2026年4月8日改正の支給要領に基づく主な区分です。加算や人数上限、併給調整は別途確認が必要で、表の金額をすべて足した額が支給されるわけではありません。

支援区分主な助成額・区分
介護休業40万円。所定労働日に対する休業日数が連続15日以上なら60万円
介護両立支援制度1制度導入・1制度利用で20万円、2制度以上導入・1制度利用で25万円。対象制度の利用60日以上ではそれぞれ30万円・40万円。介護サービス費用補助はこの日数による増額の対象外
業務代替:新規雇用20万円。連続15日以上の休業では30万円
業務代替:介護休業に伴う手当支給等5万円。連続15日以上の休業では10万円
業務代替:短時間勤務に伴う手当支給等3万円
介護休暇制度有給化支援1事業主1回30万円。10日以上の有給休暇制度では50万円

出典:介護離職防止支援コース支給要領、0302a・0302b・0304c・0302d。金額だけでなく、その前に記載された各支給要件とセットで確認してください。

有給化支援は「休暇制度を作っただけ」では足りない

2026年4月8日以降の規定整備、所定の時間単位取得、10時間以上の利用実績などの要件があります。改定前の規定を確認できることや過去の受給状況も確認対象です。「10日分の有給制度を設ければ50万円」とだけ受け取らず、利用まで含めた条件を照合してください。支給要領0301d

「休業」と「働き方の調整」は分けて考える

まとまった休業が必要な時期と、勤務を続けながら時間を調整したい時期では、職場の対応も変わります。

面談では、現在困っていること、必要になりそうな期間、担当業務のうち自分で続けたい仕事、周囲に引き継ぎたい仕事を確認します。家族の状況が変わったときに再相談できる担当者も決めておくと、プランを見直しやすくなります。

「会社に在宅勤務制度があるから対象」「有給休暇を取ったから対象」とは判断できません。介護のための利用として、どの規定が適用され、どの記録で利用実績を確認するかを整理します。

介護休業の場合の、申請までの流れ

以下は介護休業区分の主な条件と期限です。他の区分に同じ日程を当てはめないでください。

  1. 相談・準備

    面談と両立支援プラン、業務整理・引継ぎを準備

  2. 休業

    所定労働日に対する連続5日以上の介護休業などの要件を確認

  3. 復帰

    フォロー面談と復帰後の勤務を記録

  4. 継続雇用

    休業終了後3か月以上の雇用・就業要件を確認

  5. 支給申請

    休業終了日の翌日から起算して3か月が経過する日の翌日から2か月以内

  6. 審査・入金

    審査の結果と振込案内を確認。申請日に入金される制度ではない

プランは原則休業前に作成しますが、支給要領には休業中の作成を認める場合もあります。休業終了後に面談やプランを作ればよい、という扱いではありません。すでに休業を始めている場合は、開始日・面談日・記録の状況を整理して早めに相談してください。支給要領0301a・0402a

日程を整理する例

社内の管理表には「相談日」「面談日」「プラン作成日」「休業開始・終了日」「復帰後の面談日」「申請期間」を別々の欄で持ちます。予定が変わった場合は、元の予定と変更後の日付を残します。これにより、担当者が変わっても何を確認済みか追いやすくなります。

この管理表は申請ステップからの準備提案で、行政の提出様式そのものではありません。

書類は「何を説明するためのものか」で整理する

確認したいこと整理しておく資料の例
会社にどの制度があるか就業規則・介護休業規程、関連する労使協定、周知の記録
本人とどんな支援を決めたか面談記録、仕事と介護の両立支援プラン
休業・勤務の実績申出書、出勤記録、賃金台帳等
業務をどう引き継いだか引継ぎ表、担当業務の一覧、対応した日付の記録
家族・対象者の条件適用区分に応じて指定される確認資料

厚生労働省は面談シート兼用のプラン様式を公開しています。上表は準備のための整理で、正式な提出書類の全一覧ではありません。

申請前によくある疑問

介護をしている人がいれば、会社は受給できますか?

本人の状況に加え、会社の制度・支援・利用実績を確認します。「介護をしている」という事実だけでは判断できません。

急に休業が必要になった場合は?

まず本人の休業や働き方の相談に対応し、実施した面談・引継ぎなどの日時と内容を記録します。申請上の扱いは、その実際の経過に沿って確認します。後から日付を合わせるのではなく、残っている情報を整理することが出発点です。

いつ振り込まれますか?

申請できる時期と、審査を経て入金される時期は別です。代替要員や手当などの費用は、入金日が未確定でも会社が負担できるかを確認して計画します。

申請希望・相談の進め方

LINEカードの「申請希望」から、「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)申請希望」と送れます。

最初は、会社の業種・人数、希望する支援が休業か勤務調整か、開始予定または開始済みの日付、規程の有無を整理します。申請ステップで資料の不足と確認事項をまとめ、社労士による条件確認につなぎます。家族の詳しい病状などは、最初の希望メッセージに書かず、必要資料が決まってから所定の方法で提出してください。

この記事は2026年度の制度情報を整理したものです。取組を始めた日や制度改正によって適用条件が変わるため、本文中の公式資料と照合してください。

EDITOR / 編集

申請ステップ編集部

対象条件・必要資料・申請日程を、企業の申請準備に沿って解説します。